ヲカベの日記「りぺあるーと」

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「ハリソンの夢」のお話



吹奏楽曲には、グレードというものがあります。

その曲の演奏難易度をわかりやすく数字で表しているもので、
基本的に1~6で評価され、数字が大きいほど難しいとされています。
(アルファベットで表される場合も有り、その際はFが最高難とされている)

グレードが6ともなると、編成的にも大編成の曲になり、
吹くのも困難となりますがその演奏効果は非常に高く、素晴らしい作品が多いです。

有名どころでいうと、
ロースト作 「モンタニャールの詩」
スパーク作 「宇宙の音楽」などなどエトセトラ。

コンクールでもこれらの曲は最近よく見かけるようになりましたね。


さて、こういったグレードは出版社が決めるらしいのですが、
最高難の6を超えた、グレード7という曲が存在します!!

それが、ピーター・グレイアム作「ハリソンの夢」なのです。








2000年、作曲された当初この曲は金管バンド用の曲として書かれました。
ブラスバンドの選手権の課題曲に選出されるなどそのころからなかなか人気のあった曲なのですが
2001年1月に吹奏楽編曲のものが発表されてからその人気は爆発!!

日本でも、TKWOと市音がほぼ同時期に演奏会で取り上げるなど
とにかく注目を浴びた作品なのです。すごい!


さて、この曲がなぜそこまで脚光を浴びるようになったか、
その説明をする前に、まず「ハリソンって誰?夢って何?」というとこから。



このハリソンという人はビート○ズのメンバーでもなければ
遺跡発掘考古学者のインディ・なんとやら役のあの俳優でもありません。



ここで描かれるハリソンとは
イギリスの時計職人であるジョン・ハリソン(1693~1776)氏のこと。↓

John_Harrison_Uhrmacher.jpg



木工職人の息子として生まれたかれは、
父親にもらった時計の動きの美しさに惹かれ、独学で時計を作ります。
これが出来がいいと世間で噂になり、時計職人となりました。

それとともに彼が果たした偉業に、「クロノメーター」の制作があります。


クロノメーターとは!

大航海時代に航海が増加して海難事故が多発するようになり、
現在位置を把握するため精密な緯度や経度の測定法が求められたが、
緯度は六分儀等による天体の位置測定で比較的容易に求められるものの、正確な経度は測定困難であった。
この問題を解決するため1714年7月8日イギリス議会は
高精度で経度を測定できる方法の発見に懸賞金を出す内容の経度法を制定した。
経度の測定にはいろいろな方法が考えられたが、その一つが時刻と太陽の位置から測定する方法であった。
18世紀初頭もっとも精度の高い時計は振り子時計であり、すでに充分な精度を出せるようになってはいたが、
波による揺れの影響の大きい海上では機能しないため、
揺れる船舶の上でも正しい時を刻む高精度の時計が必要とされた。

1735年イギリス人の木工職人(Carpenter の訳語)ジョン・ハリソンは
頑丈な梁に揺れや温度変化を吸収するバネを取り付け、ねじを巻いている間も機械が作動し、
ねじが巻かれた当初と緩んだ後でも時計の回転力が一定になる装置を備え、
温度や揺れに強い置時計「クロノメーターH1」を製作した。
その後1759年には直径5インチの懐中時計である4号機「クロノメーターH4」を製作、
その誤差はイギリスからジャマイカまで81日間航行した間に8.1秒遅れただけ、
すなわち年差にして約30秒という高性能を実現し高精度な時計の代名詞となった。

以上、ウィキペディアより引用。


まぁつまるところ、
海上でも誤差なく使える時計ということですな。
これにより経度の測定ができ、海での事故は激減したそうです。


そんなクロノメーターの開発は
ハリソンにとっては苦悩の連続であり、決して楽なものではなかったとか。


曲の説明に戻ります。

ハリソンの「夢」というのは、前述のとおり
「実用的なクロノメーターの開発」です。


そして特に楽章などて区切られているわけではありませんが、
まず、冒頭は時計が「時を刻刻と刻む様子」をあらわしており
ハリソンが時計と向き合い開発に奮闘している場面が描かれます。

入り乱れる木管群は、細かいパッセージを刻み、
正確に歩き続ける時計を連想させます。
なにより、恐ろしく店舗が早い。怒涛の畳み掛けです


そして一転して中間部は静かに、おどろおどろしくなります。
剣呑なファゴットソロが、海難事故を思わせます。
そしてまた曲は激しさを取り戻し、自己の悲惨さを激しく訴えかけてきます。


そしてエンディング。
ハリソンの夢は実現し、クロノメーター完成とともに
イギリスの大航海時代はまた熱を帯びます!
栄光のサウンドが爆発するクライマックスのサウンドは、
理路整然と並ぶ時計の音と人々の喜びを歌っているようです。


いやぁここまでざっと書きましたが、百聞は一見にしかず!!
ぜひこの曲を聴いていてください。

私のオススメは2003年の全日本吹奏楽コンクール全国大会・高校の部における、洛南高校の演奏です。
最高難易度の曲を、当時洛南名物の「少人数」で、「楽器持ち替え」を駆使して演奏
見事金賞を受賞されました。




いやぁ、一度は生で聞いてみたい曲ですね!
というわけで、今回はハリソンの夢の紹介でした。

でわでわ~





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